亡き母
なきはは
名詞
標準
(one's) late mother
文例 · 用例
蕪村はいつも、寒夜の寝床の中に亡き母のことを考え、遠い昔のなつかしい幼時をしのんで、ひとり悲しく夢に啜り泣いていたような詩人であった。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
蕪村特有の人情味の深い句であるが、単にそれのみでなく、作者が自ら幼時の夢を追憶して、亡き母への侘しい思慕を、遠い郷愁のように懐かしんでる情想の主題を見るべきである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
即ち蕪村は、その藪入りの娘に代って、彼の魂の哀切なノスタルジア、亡き母の懐袍に夢を結んだ、子守歌の古く悲しい、遠い追懐のオルゴールを聴いているのだ。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
彼の亡き母に対する愛は、加賀千代女の如き人情的、常識道徳的の愛ではなくって、メタフィジックの象徴界に縹渺している、魂の哀切な追懐であり、プラトンのいわゆる「霊魂の思慕」とも言うべきものであった。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
名もない一遊子ではあるけれど、私も幼い時から、富士の影を浴びて、武蔵相模で育った一児童として、永い間の外国生活から、故国へ放還された一旅人として、親友と、子供と、忠実なる案内者とに囲まれて、今富士の膝下へ来て亡き母の顔に見えまつるが如く、しみじみと見ているのだ。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
だが向き合ってみると亡き母に生うつしの姉だった。
— 岡本かの子 『呼ばれし乙女』 青空文庫
と同時に急に姉の泣き笑いの顔、それによく似た亡き母の面影までも二重になって千歳の眼に泛んだ。
— 岡本かの子 『呼ばれし乙女』 青空文庫
前にも既に説うごとく、この人形は亡き母として姉妹が慕い斉眉物なれば、宇宙の鬼神感動して、仮に上※の口を藉りかかる怪語を放つらんと覚えず全身|粟生てり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
作例 · 標準
亡き母の面影を追い、彼は故郷の町を訪れた。
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「これは亡き母が教えてくれたレシピなんです」と、彼女は懐かしそうに語った。
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私は亡き母の誕生日には、毎年、彼女が好きだった花を飾ることにしている。
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