野の宮
ののみや
名詞
標準
文例 · 用例
そしてもう九月からは嵯峨の野の宮へおはいりになるのである。
— 葵 『源氏物語』 青空文庫
野の宮から六条の邸へそっと帰って行っていることもあるのであるが、源氏はそれを知らなかった。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
野の宮といえば情人として男の通ってよい場所でもないから、二人のためには相見る時のない月日がたった。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
院が御大病というのでなしに、時々発作的に悪くおなりになるようなことがあったりして、源氏はいよいよ心の余裕の少ない身になっていたが、恨んでいるままに終わることは女のためにかわいそうであったし、人が聞いて肯定しないことでもあろうからと思って、源氏は御息所を野の宮へ訪問することにした。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
もう秋草の花は皆衰えてしまって、かれがれに鳴く虫の声と松風の音が混じり合い、その中をよく耳を澄まさないでは聞かれないほどの楽音が野の宮のほうから流れて来るのであった。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
野の宮は簡単な小柴垣を大垣にして連ねた質素な構えである。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
源氏はまた去年の野の宮の別れがこのころであったと思い出して、自分の恋を妨げるものは、神たちであるとも思った。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
源氏も打ち解けた心持ちになって、野の宮の曙の別れの身にしんだことなども皆お話しした。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫