血闘
けっとう
名詞
標準
文例 · 用例
永い忍耐のいるこの血闘は勝利で終った。
— 宮本百合子 『政治と作家の現実』 青空文庫
仔細も知らずに、血闘の真っただなかへとびこんでいく左膳、やっと生き甲斐を見つけたような顔を、駕籠からのぞかせて、「明るい晩だなあ。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫
加野は加野で、久しぶりに日本でめぐりあつてみたゆき子の現実の顔は、昔とはいくらも変つてはゐなかつたけれども、自分が富岡と血闘してまで此の女を欲しがつてゐたのだらうかと、妙な気がしてゐたのはたしかである。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
閉扉の館の二階では、なお血闘が行なわれていた。
— 国枝史郎 『仇討姉妹笠』 青空文庫
欧州大戦は、主としてドイツとフランスとの二つの良心――祖国愛という――の名に於ける同じ良心同志の血闘として意識されはしなかったか。
— 戸坂潤 『イデオロギーの論理学』 青空文庫
熱田の宮の前で、東西の相撲があげて大血闘を起している、死傷者無数、仲裁も、捕手も、手がつけられない、まるで一つの戦争である、なんでも尻押しは、海から軍艦で来た異国人であるそうだ、やがて熱田から名古屋が焼き払われる――この風聞が街道筋を矢のように飛びました。
— 畜生谷の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
また美女が悲嘆にくれてゐるとすれば、それも亦血闘の場の同じ挿絵である筈だつた。
— ――夢と知性―― 『吹雪物語』 青空文庫
僕は諸君と血闘をすることも辞しないつもりだ。
— 第四部 『次郎物語』 青空文庫