雛市
ひないち
名詞
標準
文例 · 用例
雛市が立つらしい、が、絵合の貝一つ、誰もおらぬ。
— 泉鏡花 『雛がたり』 青空文庫
雛市は弥生ばかり、たとえば古道具屋の店に、その姿があるとする。
— 泉鏡花 『夫人利生記』 青空文庫
初午に雛市、梅見に天神祭り、二月の行事といえばまずこの四つです。
— 血の降るへや 『右門捕物帖』 青空文庫
初午はいうまでもなく稲荷まつり、雛市は雛の市、梅見は梅見、天神祭りは二十五日の菅公祭、湯島、亀戸、天神と名のつくほどのところはむろんのことだが、お社でなくとも天神さまに縁のあるところは、この二十五日、それぞれ思い思いの天神祭りをするのが例でした。
— 血の降るへや 『右門捕物帖』 青空文庫
2 海賊橋から江戸橋を渡って、伊勢町を突き当たると大伝馬町、そこから左へ曲がると、もう雛市の始まっている十軒店の通りでした。
— 血の降るへや 『右門捕物帖』 青空文庫
旅にある縫助はその日と翌日とを知人の訪問に費やし、出て来たついでに四条の雛市を見、寄れたら今一度正香のところへも寄って、京都を辞し去ろうという人であった。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
三越楼上又は十軒店の雛市より風情は却て増りたり。
— 断膓亭日記巻之二大正七戊午年 『断腸亭日乗』 青空文庫
あすは雛の節句で、十軒店や人形町の雛市はさぞたいへんな人出だろうが、本郷弓町の、ここら、めくら長屋では節句だとて一向にかわりもない。
— 都鳥 『顎十郎捕物帳』 青空文庫