消え消え
きえぎえ
形容動詞副詞名詞
標準
on the point of vanishing
文例 · 用例
この山の上で、朝から夕立に遇っては堪まらないと、多年山登りの経験から気がついて、呆れ顔の導者を促して路を急ぐ、岩角を上ったり、下ったり、偃松や黄花石楠花の間を転がるようにして走ったが、その間に幻影は消え消えながら、三度出た、しかし心配ほどもなく、霧は奇麗に拭われて、雨にはならなかった。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
その包箱の見返しの中央にMICHAEL・SHIROと読める朱墨と、黒い墨の細かい組合わせ文字の紋章みたいなものが、消え消えに残っているところを見ますと、私のカンでは多分天草一揆頃日本に渡って来て、ミカエル四郎と名乗る日本人が秘蔵してたものじゃないか知らんと……ヘエヘエ。
— 夢野久作 『悪魔祈祷書』 青空文庫
渠は男の甦りたるかと想いて、心も消え消えに枝折門まで走れり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
「サ……ヨ……ナ……ラ……」 と消え消えに云ううちに夫人の顔は私の方を向いたまま次第次第に死相をあらわしはじめた。
— 夢野久作 『あやかしの鼓』 青空文庫
月に消え消え飛ぶものよ。
— 北原白秋 『第二海豹と雲』 青空文庫
それでも翁が恐ろしさに、なおも一生懸命に位を取りながら吹くとイヨイヨ調子が消え消えとなる。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
維新を一段落として、今度の大地震を打ち止めとして、消え消えとなって行きつつある。
— 夢野久作 『街頭から見た新東京の裏面』 青空文庫
白い着物を着た舞い姫たちが消え消えとうすくなって行くと一所に空の星の光りもうすらいで、お月様もいつのまにか西へ落ちてしまって、あたりが明るくなると思う間もなく、東の山の上に紫の雲が一つ一つ湧き出して、右に左にゆらゆらと靉靆はじめました。
— 夢野久作 『雪の塔』 青空文庫
作例 · 標準
病床の祖父は、消え消えの声で枕元に集まった家族に最後のお礼を伝えた。
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激しい吹雪の中で、遠くに見える山小屋の灯火が消え消えに点滅している。
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焚き火の最後の一片が、灰に埋もれながら消え消えの赤い光を放っていた。
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