銀屏風
ぎんびょうぶ
名詞
標準
文例 · 用例
屏風はひどく古い鼠色になった銀屏風。
— ―――三幕 『冬の花火』 青空文庫
葛岡は冬牡丹に万両の描いてある銀屏風を眺めていましたが、「僕は、こんな立派な料理屋へ来たのは始めてだ」 と言いました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
村会議員の家は立派なもので五十畳の広間にはあかりがぞろっとともり正面には銀屏風が立ってそこに二人は座らされました。
— 宮沢賢治 『税務署長の冒険』 青空文庫
黒ずんだ狩野派の銀屏風の前には二枚|襲ねの座布団。
— 夢野久作 『斬られたさに』 青空文庫
「たて※はす雪の高根の銀屏風、なかに墨繪の松本の里」といふ歌が何人の作であるか、かつて少年時代に松本市の古老からきかされた事を覺えてゐるが、徳川期の或る時代の人が即興實景をうたひだしたものであらう。
— 吉江喬松 『山岳美觀』 青空文庫
奥様は思いくずおれて男とおさしむかい、薄化粧した御顔のすこし上気せて耳の根元までもほんのり桜色に見える御様子の艶かさ、南向に立廻した銀屏風の牡丹花の絵を後になすって、御物語をなさる有様は、言葉にも尽せません。
— 島崎藤村 『旧主人』 青空文庫
あるかなしかにともされた灯で、別殿の奥の寝室は、淡い桃色にほのめいてい、引き廻されている銀屏風や、その中に豊かに華美に艶かしく、敷き設けてある夜の衾や、脇床に焚きすてて置いてある、香炉などを朧ろに見せていた。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
狩野筆らしい漁樵問答の図を、二双に描いた銀屏風が、その灯に映じて華やかには見えたが、それさえ派手には感じられなかった。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫