転式
てんしき
名詞
標準
文例 · 用例
親同志で勝手に取り決めた不見転式の許嫁が幸福やら、合わせ物、離れ物式が真理やら、今の世の中ではわからない事になって来ます。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
そしてその大きなカップ状の水銀槽にささえ浮められた大ランプの台枠の縁には、回転式灯台特有の大きな歯車が仕掛けてあるのだが、その歯車に連なる精巧な旋回装置は無残にも粉砕されて、ランプの回転動力なる重錘を、塔の中心の空洞につるしているはずのロープは、もろくも叩き切られていた。
— 大阪圭吉 『灯台鬼』 青空文庫
四方の壁も天井もまつ白だし、すりガラスの回転式の小窓の隙間から見える外界も、何か脅威を含んでゐる。
— 原民喜 『飢ゑ』 青空文庫
すると土は、地下戦車の胴にあたるが、戦車の胴の前方は、深い溝のついた緩やかな廻転式のコンベヤーになっていて、土を後へ搬ぶのだ。
— 海野十三 『未来の地下戦車長』 青空文庫
各場面の転換は暗転式とし、装置にはなんらの変更を加へず、時間の無意味な断絶を避ける。
— 岸田國士 『椎茸と雄弁』 青空文庫
第二の賀川氏にお願いして下さいませんか」 いつも沈黙している魂の賀川氏はつかつかと機械の前に近づいてハンドルを握ってややしばし黙祷していたが、電力を通ずるスイッチのようなものを捻ったと思うと、回転式溶鉱炉ともいうべきものが響きを立て運転を始めた。
— 賀川豊彦 『空中征服』 青空文庫
右側引き出しの二段目に回転式拳銃があります。
— The Slave of Silence 『くちなしの花』 青空文庫
大佐は私の問に對して、悠々と鼻髯を捻りつゝ『若し不時の天變が無ければ、今より二年九ヶ|月目、即ち之から三度目の記元節を迎ふる頃には、試運轉式を擧行し、引續いて本島を出發して、懷かしき芙蓉の峯を望む事が出來ませう。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫