赤布
あかぬの
名詞
標準
文例 · 用例
然るに、その際興味ある現象を目撃せりと云うは、余が屡赤布を側の壁際へ寄せたるに、同人もまたそれに応じて、埋もれんばかりに身体を片寄せるかと思えば、また銃器に触れると、同時に身体を離し、その儘静止する事もありき。
— 小栗虫太郎 『夢殿殺人事件』 青空文庫
ジャクモンが『一八二八|至三二年|印度紀行』一にジャグルナット行の巡礼葉竹の両端に二つ行李附けて担い行李ごとに赤布片を付ける、林中の虎を威すのだとあるが、そんな事で利く事か知らん。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
崖腹にある二箇所の停車場には赤布を頭に巻いた印度巡査が黙つて白い眼を光らせながら突立つて居る。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
そこはホテルに働くものの為の休息室、食堂、職業組合のメストコム、党|細胞で、一隅には赤布で飾った小図書部「|赤い隅」がある。
— 宮本百合子 『子供・子供・子供のモスクワ』 青空文庫
二階の読書室の赤布で飾った本台の前で、十一二歳の少年少女数人がさかんに本をあさっている。
— 宮本百合子 『子供・子供・子供のモスクワ』 青空文庫
国家計画部は…… 樺色の上着の肩で音波を切りながらドンドン歩いて行って監督は赤布で飾られた舞台のすぐ下第一列へ日本女を待たせ、わきの扉の方から椅子をもって来てくれた。
— 宮本百合子 『三月八日は女の日だ』 青空文庫
舞台の赤布をかけた長テーブルの中央に、ニッケル・ベルを前にして、もう相当年配の静かな横顔の女議長がうつむいて何か書きつけている。
— 宮本百合子 『三月八日は女の日だ』 青空文庫
赤布を平服の腕へ巻つけた労働者赤衛兵はピストルを片手に、冬宮を引揚げる時全同志の身体検査をした。
— 宮本百合子 『スモーリヌイに翻る赤旗』 青空文庫