居を定める
きょをさだめる
表現動詞-一段
標準
to take up residence
文例 · 用例
大津の家では毎日町役場の収入課へ、親戚の者が残務整理に通つて居り、お葉も漸く健康を取り戻すと書類包みを携へて日参した挙句、五葉松の家屋敷を手離す段どりで一切が落着し、新居を定める費用も償へるといふことになつた。
— 牧野信一 『サクラの花びら』 青空文庫
どこか気に入つたところに住居を定めるつもりでしたが、その気に入つたところがなかなか見当りませんので、のんきな旅をつづけてるのでした。
— 豊島与志雄 『エミリアンの旅』 青空文庫
この頃、こゝに居を定めることになつたので、久振りに花の盛りを朝夕たつぷり見ることが出来た。
— 正宗白鳥 『花より団子』 青空文庫
実にわたしの遍歴の最大の憾みは、自分の気に入ったところがあったらそこに居を定めるという決心をもって出てゆかれないこと、やはり世間一般の考えに従って帰って来なければならないことである。
— ESSAIS DE MONTAIGNE 『モンテーニュ随想録』 青空文庫
その一つは普通の顔にはほんとうに人を欺くほどの変化を作ることが困難であり、たといそれが可能としても、手術の痕跡は長期にわたって残ること、その二は全然未知の土地に居を定めることの困難、手術の痕跡が治癒するに至るまで長く未知の土地に滞在することの困難にある。
— 江戸川乱歩 『探偵小説の「謎」』 青空文庫