勝手向き
かってむき
名詞-の形容詞名詞
標準
kitchen-related
文例 · 用例
そのおかげかどうかわからぬが、その後の鶴原家には別に変ったこともなく却ってだんだんと勝手向きもよくなって維新後は子爵を授けられたが、大正の初めになると京都を引き上げて東京の東中野に宏大な邸を構えた。
— 夢野久作 『あやかしの鼓』 青空文庫
しかしそれだけでは勝手向きが十分でないので、来年の春には師匠の其月をうしろ楯に、立机の披露をさせて貰って、一人前の俳諧の点者として世をわたる筈になっている。
— 冬の金魚 『半七捕物帳』 青空文庫
采女は、宮中の勝手向きの為事ばかりしてゐた、と考へるのは間違ひで、国造の女・郡領の女、即、国々の神主の女だつたのだから、皆巫女であつたのである。
— 折口信夫 『はちまきの話』 青空文庫
名古屋の殿様のために、お勝手向きのお世話でもしてあげれば、苗字帯刀御免ということになる。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
「そう言えば、半蔵、こないだ金兵衛さんが見舞いに来てくれた時に、おれはあの老友と二人で新政府のお勝手向きのことを話し合ったよ。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
が、まあ、お役料二百俵あるから、それでどうやらこうやら内外の入費をやってのけたけれど、そういう訳でまことに勝手向きが不如意だ。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
お勝手向き次第で、一週間か、まあ十日に一度くらゐは出来ただけの品物を荷物として、山を下つて東京に出ますといふ。
— 三好達治 『オルゴール』 青空文庫
ここに参考のために、ある随筆に出でたる家相心得を示さば、「家相を正すというは、夏すずしく冬暖かに、奥より勝手向きの便利をよくし、盗賊、火災の防ぎ方を設け、低地の所は出水の手当ていたし、小破れを繕い、火の用心を大切にして住む家を、すなわち吉相の家とす」とあるは、おもしろき説明である。
— 井上円了 『迷信解』 青空文庫
作例 · 標準
新居の勝手向きを確認したところ、冷蔵庫とシンクの距離が近く、調理の動線が非常にスムーズだった。
勝手向きが不如意なため、今月は冠婚葬祭などの急な出費が重なると家計に大きく響いてしまう。
表向きは格式高い旧家だが、一歩勝手向きに回れば、使用人たちが忙しく立ち働く生活の場が広がっている。
長引く不況の影響で勝手向きが苦しくなり、外食を控えて徹底した節約に励む家庭が増えている。
標準
household finances
作例 · 標準
景気の低迷が長引き、どの家庭も勝手向きが苦しくなっているのが実情だ。
「近頃は勝手向きが心細くて、冠婚葬祭の出費もままなりません」と、路地裏で隣人が溜息をついた。
彼は一家の主として、少ない月給の中からいかに勝手向きを工面するかで、毎晩のように頭を悩ませている。
祖母が亡くなってからは、勝手向きの切り盛りをすべて母が一人で引き受けることになった。