鞄持ち
かばんもち
名詞
標準
文例 · 用例
私はその書面を見て思つた、懇意にしてゐた人ではあるが、何にしても今は政党員で、内務大臣の鞄持ちをしてゐる男のことだ、面倒なことが起ると云つたところで、首になる位が関の山だ、下手に脅かしに乗つて自分から引込むでもあるまい、私はさう思つて、表面上親切な此の忠言を冷然と黙殺した。
— 河上肇 『随筆「断片」』 青空文庫
三浦にとっては、自分の研究を放り出して女房の鞄持ちをして歩くのはずいぶん迷惑なことだったでしょう。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
また世事に疎い、学者肌の人だったから一向鞄持ちの役目も出来なかったのです。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
よしんば、三浦が女房のお尻に敷かれようと敷かれまいと、女房の鞄持ちをしようとしまいと、それは夫婦の間の愛情の問題で、どうだっていいじゃあありませんか。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
しかし自分の研究があるので、いつまでも女房の鞄持ちは出来ず、また私もアメリカの生活に馴れたので、三浦はエール大学に帰って研究に専念するようになりました。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
けれど、その智恵袋ともなれず、相談役ともなれず、まあ鞄持ち程度に終ってしまい、老後には、僅かな建物の差配役というところに納ってしまいました。
— ――近代説話―― 『乾杯』 青空文庫
批評家が作家の教師になったり鞄持ちになったり侍医になったりすることは、それから後のことで、批評家は先ず第一に読者の先輩であるというわけである。
— 戸坂潤 『所謂批評の「科学性」についての考察』 青空文庫
仙波氏の鞄持ちに河田といふ若い男がゐて、その Penis が薬局生のあひだで評判であつた。
— 神西清 『地獄』 青空文庫