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踏夫

踏夫
名詞
1
標準
文例 · 用例
或日一行に伴はれて孤踏夫人なる女人のもとへ行つた。
坂口安吾 小さな部屋 青空文庫
男達の憂鬱と同量の狂躁を帯びた華やかさで孤踏夫人は上品に話したり笑つたりした。
坂口安吾 小さな部屋 青空文庫
それから数日して痴川が麻油に会ふと、麻油は変な顔をして俯向き乍ら、「孤踏夫人て、あんた好き?
坂口安吾 小さな部屋 青空文庫
或日孤踏夫人は小笠原から伊豆と痴川の曲折をきき、たわいもなく談笑してゐたが、小笠原が帰るのを見送つてしまふと、急に肩の落ちるやうな、ほつとした眩暈がした。
坂口安吾 小さな部屋 青空文庫
踏夫人の家を辞した小笠原は、彼も亦一時にほつと全身の弛むやうな思ひがしたが、静かな足取で暫く歩いてゐるうちに、孤踏夫人が陥つたに相違ない前記の心理を眼に見るやうに思ひ泛べた。
坂口安吾 小さな部屋 青空文庫
ある晩のこと小笠原を訪ねるつもりで歩きだしたが、途中で気がひけて、ふいに思ひもよらず、これは一層会ひたくもない孤踏夫人を訪ねてしまふと、これは生憎不在であつた。
坂口安吾 小さな部屋 青空文庫
小笠原さんと孤踏夫人て、ずゐ分ひどい人達ね……」 痴川はみるみる崩れるやうな、くしやくしやな泣き顔をしたが、急に物凄い見幕で怒りだして、「莫迦野郎!
坂口安吾 小さな部屋 青空文庫
そんな時、麻油はふいに孤踏夫人の神経質な顔を思ひ出したりした。
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