撚り糸
よりいと
名詞
標準
文例 · 用例
この曖昧さ加減を最も明らかに吾人に示すのは綿糸の撚り糸である。
— 寺田寅彦 『方則について』 青空文庫
一条の撚り糸を与えられてその長さを精密に測ろうと企てた人は、ここに述べた困難を切実に味わう事が出来ようと思う。
— 寺田寅彦 『方則について』 青空文庫
撚り糸も針金もあらゆる弾性体|否形状大小を備えた物体は皆同様である。
— 寺田寅彦 『方則について』 青空文庫
やがて、これら輝いているもの皆、たえず明滅している光の撚り糸のようであり、果てしなき「神秘」の中へと流れ出している……。
— NOCTILUCAE 『夜光虫』 青空文庫
ぼろぼろな灰色の上衣には、撚り糸で縫われた青ラシャの補綴が一方の肱の所にあたっている。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
オウ、みんな、泰軒様を大事にしなくっちアいけねえぜ」 うす陽の街上に、小さな旋風が起こって、かわいた馬糞の粉が、キリキリと縒り糸のようにまっすぐに、家の庇ほども高く舞い立っています。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫
「どれどれ、めくらかどうか見てやる」 お母さんは克子を引きよせ、編んでいた毛糸の玉をその手に握らせて、「さあ、何色じゃ、これは」 克子は小さい手の甲で涙を横なでにし、毛糸を目とすれすれに近づけていって、「キイロ色とミドリ色と二あつ」と、その縒り糸を正確に答えた。
— 壺井栄 『赤いステッキ』 青空文庫
すぐ、宮のおからだも縒り糸のように具足の諸足で捻じ縒られる。
— 建武らくがき帖 『私本太平記』 青空文庫