匿名批評
とくめいひひょう
名詞
標準
anonymous criticism
文例 · 用例
戸坂潤氏が先頃匿名批評について書いた小論の中で、文学批評のことにも少しふれている。
— 宮本百合子 『近頃の感想』 青空文庫
二 匿名批評家にアトムA・B・Cとあり、小原壮助という一つの獅子頭を三人のひとがかぶっている。
— 宮本百合子 『しかし昔にはかえらない』 青空文庫
「そうさ、匿名批評には、毒殺的効果があると云うじゃないか」法水はグイと下唇を噛み締めたが、実に意表外な観察を述べた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
私の小説などは一年にいくつと金にならず、概ね零細な稿料であり、定収にちかいものといえば、都新聞の匿名批評ぐらいのもの、それとて二十円ぐらいのもので、あとは出版社や友人からの借金で、食わなくとも酒はのむというような生活であった。
— 坂口安吾 『三十歳』 青空文庫
一杯十五銭から十七銭ぐらゐ、万事につけて京都よりは高価であつたが、生活費は毎月本屋からとゞけられ、余分の飲み代のために、都新聞の匿名批評だの雑文をかき、私はまつたく空々漠々たる虚しい毎日を送つてゐた。
— 坂口安吾 『ぐうたら戦記』 青空文庫
そのころは私も匿名批評を書いてナニガシの飲みシロを稼がせてもらったものだが、私に関する限りは匿名批評に於ても、精読を欠いたり、タンカのような悪罵や放言をしたことはありませんでしたね。
— その五 衆生開眼 『安吾人生案内』 青空文庫
匿名批評であるから、書いた人は分らないが、とにかく日本一流の新聞の姉妹誌であるから、相当な有識者の言であろう。
— ――『日本のこころ』を囲って―― 『身辺雑記』 青空文庫
誤読は勝手であるが、それでもって「あの男は小学校の理科の知識ももっていない」というような匿名批評をされるのは、ちと迷惑である。
— ――『日本のこころ』を囲って―― 『身辺雑記』 青空文庫
作例 · 標準
彼は匿名批評家として、辛辣なレビューを次々と発表した。
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匿名批評は表現の自由を保障する一方で、無責任な中傷につながる危険性も持つ。
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雑誌に掲載された匿名批評が、大きな議論を巻き起こした。
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