雲霓
うんげい
名詞
標準
文例 · 用例
奴等は北方の空からは矢鏃の如き舌を以つて襲ひ、乾からびた風となつて東の方からは師の肺腑に迫り、南方の荒涼たる砂漠からは火炎を吐きかけ、西の方からは僅かの間だけは爽々し気な風をおくるも、忽ち翻つては森も牧場も人間までも溺らせずに止まぬ雲霓と化して挑みかゝるのです。
— 牧野信一 『ベツコウ蜂』 青空文庫
しかしこの時八重洲町を歩いているうちに、どこであったかを忘れたが、(否、どこということを十分気にもとめなかったが)ある洋館の這入口に『ライスカレー一杯二十五銭』とある札を見て、私は大旱に雲霓を得た心持でそこにはいった。
— 高浜虚子 『丸の内』 青空文庫
当時の官省は旧思想の人物を以て充たされていたから、新智識を有するものを欲することは大旱に雲霓もただならずである。
— 大隈重信 『東洋学人を懐う』 青空文庫
曹丞相は、賢を愛し、人材を求むること、旱に雲霓を望むごとしと、世評には聞いていたが……。
— 赤壁の巻 『三国志』 青空文庫