赤襟
あかえり
名詞
標準
文例 · 用例
または廓の日ぐれどきにあちこち動く赤襟の美しい姿を珍らしがつた。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
氷店の白粉首にも、桜木町の赤襟にもこれほどの美なるはあらじ、ついぞ見懸けたことのない、大道店の掘出しもの。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
そこで小型のブルーム馬車が歩道の縁石に寄せて待っているはず、運転手は大きな黒の外套に赤襟の男だ。
— THE FINAL PROBLEM 『最後の事件』 青空文庫
そこに姐さん達や赤襟達が、づらりと並んでゐたが、K―はとみると、彼は黄八丈の褞袍の裾を端折つて、立つて踊つてゐた。
— 徳田秋聲 『倒れた花瓶』 青空文庫
」「私共の商買の者は善くさう申しますが、女の惚れるには、見惚に、気惚に、底惚と、かう三様有つて、見惚と云ふと、些と見たところで惚込んで了ふので、これは十五六の赤襟盛に在る事で、唯奇麗事でありさへすれば可いのですから、全で酸いも甘いもあつた者ぢやないのです。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
なんでもある九等官は、とある小さな局長に任命されると早速自分だけの部屋を仕切って、それを【官房】と名づけ、扉口には赤襟にモールつきの服を着せた案内係を置いて、来訪者のあるごとに、いちいち把手をとって扉をあけさせたものである。
— ニコライ・ゴーゴリ 『外套』 青空文庫
」 「なんでも『赤襟のねえさん』なんて、次郎ちゃんたちがからかったものですから、あれから末子さんも着なくなったようですよ。
— 島崎藤村 『嵐』 青空文庫
」「なんでも『赤襟のねえさん』なんて、次郎ちゃんたちがからかったものですから、あれから末子さんも着なくなったようですよ。
— 島崎藤村 『嵐』 青空文庫