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捻込

捻込
名詞
1
標準
文例 · 用例
」 行詰った鼻の下へ、握拳を捻込むように引擦って、「憚んながらこう見えても、余所行きの情婦があるぜ。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
たまたま人間に生を受けて、しかも別嬪に生れたものを、一生にたった一度、生命とはつりがえの、色も恋も知らせねえで、盲鳥を占めるように野郎の懐へ捻込んで、いや、貞女になれ、賢母になれ、良妻になれ、と云ったって、手品の種を通わせやしめえし、そう、うまく行くものか。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
――袖畳みに懐中へ捻込んで、何の洒落にか、手拭で頬被りをしたもんです。
泉鏡花 歌行燈 青空文庫
つけられた方は、呆れるより、いきなり撲るべき蹴倒し方だったが、傍に、ほんのりしている丸髷ゆえか、主人の錆びた鋲のような眼色に恐怖をなしたか、気の毒な学生は、端銭を衣兜に捻込んだ。
泉鏡花 薄紅梅 青空文庫
慌てて懐に捻込む時、間近にお沢を見て、ハッと身を退りながら凝と再び見直す)何じゃ、人か、参詣のものか。
泉鏡花 多神教 青空文庫
懐へ捻込んで行くんだから紙にでも包んでくんな。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
兵粮だって餡麺麭を捻込んで、石滝の奥へ、今の前橋を渡ったんだ、ちょうど一足違い位なもんだ。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
」 というが早いか、引手繰るや否や、肥っているから、はだかった胸へ腋の下まで突込んだ、もじゃもじゃした胸毛も、腋毛も、うつくしい、情ない、浅間しい、可哀相な婦を揉みくたにして、捻込んだように見えて、毛の生えた方も、白い方も、そのまま瞼にちらついて、覚えています。
泉鏡花 雪柳 青空文庫