術なし
すべなし異読 ずちなし・ずつなし
'ku' adjective (archaic)
標準
having no choice
文例 · 用例
旅順をぢなきや嚢の鼠、ふくろこそ噛みてもやれめ、そびらには矛迫め來、おもてには潮沫湧く、穴ごもり隱らむすべも、術なしにあはれ。
— 長塚節 『長塚節歌集 中』 青空文庫
只だ聖母の御惠を祈らんより外|術なしといひぬ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
さて何とか救済の道もがなと千々に心を砕きけれども、その術なし。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
かかる曠世の尤物を無窮に残し拝ますはアの筆のほかにその術なしとあって、その装束を脱いだ体を画かしめた。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
横車を押し意だけ高に何かを罵って居た時、才覚のある者が、ふみばさみに文をはさんで、これを大臣に奉ると云って擬勢を示したら、「大臣ふみもえとらず、手わななきてやがて笑ひて、今日は術なし、右の大臣にまかせ申すとだにいひやり給はざりければ々々」と大鏡の筆者は記して居る。
— 宮本百合子 『余録(一九二四年より)』 青空文庫
また日本にては、貧家の子が菓子屋に奉公したる初には、甘をなめて自から禁ずるを知らず、ただこれを随意に任してその飽くを待つの外に術なしという。
— 福沢諭吉 『経世の学、また講究すべし』 青空文庫
道理を述て解すこと能はざる相手なれば、伐つより外に術なしと云ふ説もあらん。
— 福澤諭吉 『亞細亞諸國との和戰は我榮辱に關するなきの説』 青空文庫
古人の書に曰く、「自責の外に、人に勝つの術なく、自強の外に人に上たるの術なし」 と。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
作例 · 標準
手を尽くしたが病状は悪化する一方で、医者も家族ももはや術なしと項垂れるしかなかった。
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嵐の中で船の舵が壊れてしまい、荒れ狂う波に翻弄されるまま、乗組員たちは術なしの状態だ。
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問い詰められた彼は、言い訳をしようにも証拠を突きつけられて、もはや術なしと観念した。
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