帰省中
きせいちゅう
名詞
標準
文例 · 用例
夏休みに帰省中、鏡川原の納涼場で、見すぼらしい蓆囲いの小屋掛けの中でであった。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
正月の休みに郷里帰省中であったのが、親父からいくらかもらって、ややふところを暖かくして出京したばかりらしいから、どちらか一冊ぐらいは買うかな、と思って見ていたが、とうとう失敬して行き過ぎてしまった。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
今年の秋祭はわが帰省中にとの両親の考えで少し繰り上げて八月某日にする事ときめてあったが、数日来のしけで御供物肴がないため三日延びた。
— 寺田寅彦 『祭』 青空文庫
暑休に先生から郷里へ帰省中の自分によこされたはがきに、足を投げ出して仰向けに昼寝している人の姿を簡単な墨絵にかいて、それに俳句が一句書いてあった。
— 寺田寅彦 『夏目漱石先生の追憶』 青空文庫
大学の二年から三年にあがった夏休みの帰省中に病を得て一年間休学したが、その期間にもずっと須崎の浜へ転地していたために紅葉の盛りは見そこなった。
— 寺田寅彦 『庭の追憶』 青空文庫
このまま、今度の帰省中|転がってる従姉の家へ帰っても可いが、其処は今しがた出て来たばかり。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
午後、樹明君がまた鈴木周二君と同行して来庵(周二君は徴兵検査で帰省中、私の帰庵を知つて見舞はれたのである)、飲む食べる饒舌る、暮れて駅まで送る。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
帰省中に勉強するつもりで、いろいろの書物をさげて来たのだが、いざとなるとやはりいつもの怠け癖が出る。
— 岡本綺堂 『水鬼』 青空文庫