通船
つうせん
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
ferry boat
文例 · 用例
それも昼間は通船も多いし、漁も利かぬから夜縄で捕るのである。
— 幸田露伴 『夜の隅田川』 青空文庫
マア、夜間通船の目的でなくて隅田川へ出て働いて居るのは大抵こんなもので、勿論種々の船は潮の加減で絶えず往来して居る。
— 幸田露伴 『夜の隅田川』 青空文庫
陸の八百八街は夜中過ぎればそれこそ大層淋しいが、大川は通船の道路にもなって居る。
— 幸田露伴 『夜の隅田川』 青空文庫
中洲の島で、納涼ながら酒宴をする時、母屋から料理を運ぶ通船である。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
小さな通船は、胸の悩みに、身もだえするままに揺動いて、萎れつつ、乱れつつ、根を絶えた小船の花の面影は、昼の空とは世をかえて、皓々として雫する月の露吸う力もない。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
河川通のこの家の娘は、この亀島川は一日の通船数が三百以上もあり、泊り船は六十以上で、これを一町に割当てるとほぼ十艘ずつになると云ったが、今日はそういう河容とは、まるで違ったものに見える。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
こんな考えは、高級船員などの間ではありふれた考え方であり、また普通船員のうちにあってもやはり同様であると信じられる。
— 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃 『世界怪談名作集』 青空文庫
しかも高級船員のうちにも、普通船員のうちにも、けっしてイングランド教会の者はいないのである。
— 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃 『世界怪談名作集』 青空文庫