魚売り
さかなうり
名詞
標準
文例 · 用例
初蝉が鳴き金魚売りが通る。
— 岡本かの子 『蔦の門』 青空文庫
それにしてももう老いさらぼえた雪道を器用に拾いながら、金魚売りが天秤棒をになって、無理にも春をよび覚ますような売り声を立てる季節にはなったろう。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
反歌月蒼き潯陽江の春浅しふなべり低め四つ手張りたるたださへや月の光は霧らふらし四つ手に跳ぬる水の江の魚口あけてぽちりと紅くそめにけり小さき木彫のいつくしき魚魚売り魚売りの爺が日永や、ふち広の菅の編笠、たよたよと担棒かつぎて、はらはらに片手まはして、前籠に魚かすくなき、後の籠魚か多かる。
— 北原白秋 『風隠集』 青空文庫
人間全体を信用しないんです」 その時|生垣の向うで金魚売りらしい声がした。
— 夏目漱石 『こころ』 青空文庫
さて緊那羅も本馬芸や歌舞を業とした部民で、その女が自分らより優等な乾闥婆部に娶らるるを、あたかも乾闥婆部の妻女が貴人に召さるるを名誉と心得て同然に怡んだので、本邦に例の多かった大工の棟梁の娘が大名の御部屋となり、魚売りの娘がその棟梁の囲い者となりていずれも出世と心得たに異ならぬ。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
宰牛謀計してその子に魚を持たせ、魚売りの風をして母を訪わしめた。
— 犬に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
相師またこれを見て、この魚売りは必ず我王を殺して王位を取るべしと言った。
— 犬に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
二十八 授業もすみ、同僚もおおかた帰って、校長と二人で宿直室で話していると、そこに、雑魚売りがやって来た。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫