来無
らいむ
名詞
標準
文例 · 用例
何となれば渠等の行路難は皆|合※の事ある以前既に経過し去りて、自来無事|悠々の間に平和なる歳月を送ればなり。
— 泉鏡花 『愛と婚姻』 青空文庫
元来無いものに付せられた空虚な言葉であるか、さもなければ同じ物の別名である。
— 寺田寅彦 『丸善と三越』 青空文庫
しかし、こういう意味で完全な案内記を求めるのは元来無理な事でなければならない。
— 寺田寅彦 『案内者』 青空文庫
前にも断わっておいたとおりこのような比較対照は厳密な意味では本来無理であるのに、それにもかかわらずそれをあえてしたのは、これによって連句というものをなんらか新しい光のもとに見直し、それによって未来の連句への予想と暗示とを求めるための手段としてであった。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
少なくもある点までは新聞の社会記事というもの自身に本質的に内在する元来無理な要求から来る自然の結果であるかもしれない。
— 寺田寅彦 『ニュース映画と新聞記事』 青空文庫
「常説法教化無数億衆生爾来無量劫。
— 泉鏡花 『葛飾砂子』 青空文庫
だが、昔の俳人歌人の行脚といったようなことには、商買的の気味も有りましたろうが、其の中におのずから苦行的修練的の真面目な意味が何分か籠って居て、生やさしい戯談半分遊山半分ばかりでは出来無かった旅行なのでした。
— 幸田露伴 『旅行の今昔』 青空文庫
然るに、あれだけの大災に予知が出来無かつたの、測震器なんぞは玩器同様な物であつたのと難ずるのは、余りに没分暁漢の言である。
— 幸田露伴 『震は亨る』 青空文庫