散木
さんぼく
名詞
標準
文例 · 用例
この世界に於て、生としてあるものは、何万年か樹齢が判らないほど生き延びて大きさは天日も隠すほど聳え立ちながら、無用の用としてのみの価値を持つあの散木という樹で象徴さしてある無刺激、無苦楽の生です。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
その橋から鷺町が、一筋の往還の両側に高低の建物を並べ、特に抜き出て清光寺の堂棟と散木と渾名される巨木とが目につきます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
ずっと前に源|俊頼の『散木奇歌集』九に、内わたりに夜更けてあるきけるに、形よしといわれける人の打ち解けてしとしけるを聞きて咳きをしたりければ恥じて入りにけり、またの日遣わしける「形こそ人にすぐれめ何となくしとする事もをかしかりけり」。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
まず源俊頼の『散木弃歌集』を見て失望す。
— 正岡子規 『曙覧の歌』 青空文庫
散木奇歌集の奇歌の義が叶ひ過ぎて居るのは傷ましい。
— 後期王朝文学史 『女房文学から隠者文学へ』 青空文庫
散木弃歌集あたりには、それでも多くの口語を見ることが出来る。
— 折口信夫 『短歌の口語的発想』 青空文庫
かくて散木集の家綱の連歌の詞書は、伏見に傀儡のシサムというものが来たので、遊女のサキクサに合せて歌を歌わせようと之を呼びに遣わしたところが、前に居た宿にサキクサは居ないと云って来なかったので と解すべきものであろう。
— ――サンカモノは坂の者 『サンカ者名義考』 青空文庫
こんなついででもないとその記録も遺し得られぬから、退屈|凌ぎにその例を並べて見ると、古い所では『蜻蛉日記』にクツクツボウシ、『散木奇謌集』にはウツクシヨシと鳴くとある。
— 野草雑記 『野草雑記・野鳥雑記』 青空文庫