いっその事
いっそのこと
副詞
標準
rather
文例 · 用例
もし東京にあの風が吹かなかったら、もし東京の街の泥と塵がなかったら、そして電車の数を増すか、あるいはいっその事に全部無くしてしまったら、それだけでも東京市民の顔は幾分か柔らかく快いものになりはしまいかと思われる。
— 寺田寅彦 『電車と風呂』 青空文庫
争議が解決した後も、いっその事思い切って従業員の制服を全廃して思い思いの背広服ないし和服着流しにする事を電気局に建言したらどうかと思ってみたのであった。
— 寺田寅彦 『破片』 青空文庫
いっその事全部分からないアラビア語ででもあればかえって楽であろうが、困った事には時々ところどころ分かる日本語であるからいけないのである。
— 寺田寅彦 『ラジオ雑感』 青空文庫
それで自分の素人考えでは、いっその事、どこか「家屋の鎖骨」を設計施工しておいて、大地震がくれば必ずそこが折れるようにしておく。
— 寺田寅彦 『鎖骨』 青空文庫
もし足はどうなってもいい、靴さえ減らなければいいというのならば、いっその事全部鋼鉄製の靴をはけばいいわけである。
— 寺田寅彦 『試験管』 青空文庫
「いっその事、飲んでから二、三日目に死ぬ毒薬を下さい」
— 夢野久作 『医者と病人』 青空文庫
このような考えから、私はいっその事日刊新聞というものを全廃したらよくはないかという事につい考え及んだわけである。
— 寺田寅彦 『一つの思考実験』 青空文庫
いっその事、あなた方は思い切ってライオンや象を買って、その骨を入れたら大きくて丈夫でよくはありませんか」 と又笑い出しました。
— 夢野久作 『豚吉とヒョロ子』 青空文庫
作例 · 標準
この文ではいっその事が重要な役割を果たしている。
いっその事の意味を正しく理解することが大切だ。
彼はいっその事という言葉をよく使う。
文脈からいっその事の意味が推測される。