惨涙
むごなみだ
名詞
標準
文例 · 用例
」 片膝を立てて、しっかとお艶をおさえつけた栄三郎の声は、かなしい怒りに曇り、眼は惨涙を宿して早くもうるんでいた。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
ついにわが軍を求めて陥穽に陥らしめたか――」 と、惨涙独語して、その下唇を血のにじむほど噛みしめていた。
— 五丈原の巻 『三国志』 青空文庫
華山の奔筆には、全的に、彼の鬪つてきた人世の慘涙と剛氣とが迸る痕があるが、杏所は、士太夫の態度をいつも失つてゐない。
— 吉川英治 『折々の記』 青空文庫