不惑
ふわく
名詞
標準
past forty
文例 · 用例
現代の人間が四十歳くらいで得た人生観や信条をどこまでも十年一日のごとく固守して安心しているのが宜いか悪いか、それとも死ぬまでも惑い悶えて衰頽した躯を荒野に曝すのが偉大であるか愚であるか、それは別問題として、私は「四十にして不惑」という言葉の裏に四十は惑い易い年齢であるという隠れた意味を認めたい。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
理窟や議論はどうにもあれ、宇宙の或る何所かで、私がそれを「見た」ということほど、私にとって絶対不惑の事実はない。
— 散文詩風な小説 『猫町』 青空文庫
……』 もう不惑に近く、海豹のように無口になってしまった私に向かって、彼は十年前と少しも変らぬ雄弁を以て語るのであった。
— 渡辺温 『十年後の映画界』 青空文庫
この男は、よわい既に不惑を越え、文名やや高く、可憐無邪気の恋物語をも創り、市井婦女子をうっとりさせて、汚れない清潔の性格のように思われている様子でありますが、内心はなかなか、そんなものではなかったのです。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
その時、四十而不惑といった・その四十|歳に孔子はまだ達していなかった。
— 中島敦 『弟子』 青空文庫
國民黨宣傳部理事である人の書齋に翁の筆のあるのは當然として、またその筆致のよしあしは別として、私にはその文句が目についた、たゞ大きく『不惑不懼不憂』と書いてある。
— 春の二三日 『樹木とその葉』 青空文庫
『手に筆硯を親しむの余、時有りて遊戯三昧し、歳月遙永にして頗る幽微を探る、妙悟は多言に在らず善学は還り規矩に従ふ』と王維が述べたが、大智氏の仕事ぶりは歳月遙永であり、四十にしてではなく六十にして不惑であらう。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
然るに歳漸く不惑に入った頃、如何なる風の吹き廻しにや、友人の推輓によってこの大学に来るようになった。
— 西田幾多郎 『或教授の退職の辞』 青空文庫
作例 · 標準
ついに私も不惑の年を迎え、これからの人生をどう生きていくか改めて考えるようになった。
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孔子の言葉通り、不惑を過ぎてからは他人の評価に惑わされることなく自分の道を進めるようになった。
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不惑の誕生日を記念して、ずっと挑戦したかったフルマラソンに参加することを決意した。
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