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橋袂

はしたもと
名詞
1
標準
文例 · 用例
そこで欄干に凭れかかって煙草を――つい橋袂に酒場もあるのに、この殊勝な心掛を刎散らして、自動車が続けさまに、駆通る。
泉鏡花 雪柳 青空文庫
」と云う下から、田舎の犬は正直で、ウウと吠掛ったから、八さんは、ワッと云って遁げ出すと、追掛けようとする野良を傘でばッさり留めて、橋袂の榎に打つかりそうな八さんを、「馬鹿だわねえ。
泉鏡花 卵塔場の天女 青空文庫
途中を電車で、私の見物のために、一度いま話すこの大川通で下りて、橋袂に、梢は高く向う峰のむら錦葉の中に、朱の五重塔を分け、枝は長く青い浅瀬の流に靡いた、「雪女郎」と名のある柳の大樹を見て、それから橋を渡越した。
泉鏡花 卵塔場の天女 青空文庫
大橋の橋杭が昼見た山の塔の高さほどに下から仰がれる、橋袂の窪地で、柳の名、雪女郎の根の処である。
泉鏡花 卵塔場の天女 青空文庫
」「あの、火の見の下、黒江町……」と同伴が指さしをする、その火の見が、下へ往來を泳がせて、すつと開いて、遠くなるやうに見えるまで、人あしは流れて、橋袂が廣い。
泉鏡太郎 深川淺景 青空文庫
笹村はそこから電車通りへ出て、橋袂の広場を見せて歩いた。
徳田秋声 青空文庫
そして帰りに橋袂で、お銀の好きな天麩羅を喰べた。
徳田秋声 青空文庫
橋袂のお制札場の横から、ちらりと黒い影が動いたかとみるまに、銃さきらしい短い棒がじりッとのぞきました。
千代田城へ乗り込んだ退屈男 旗本退屈男 第十一話 青空文庫