寂々
せきせき異読 じゃくじゃく・さびさび
形容詞-たる副詞-と
標準
sad
文例 · 用例
空々寂々の境で、山という山の気分が、富士山に向いて、集中して来る、谷から幾筋とない雲が、藍の腐ったような塊になって、立ち昇る、富士山はこの雲と重なって、心もち西へ西へと延びて来るようだ、蝕った雲の淵の深さが、何十尺かの穴となって、口が明く。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
落葉を踏んで頂に達し、例の天主台の下までゆくと、寂々として満山声なきうちに、何者か優しい声で歌うのが聞こえます、見ると天主台の石垣の角に、六蔵が馬乗りにまたがって、両足をふらふら動かしながら、目を遠く放って俗歌を歌っているのでした。
— 国木田独歩 『春の鳥』 青空文庫
空々寂々心中なんらの思うこともない体。
— 国木田独歩 『二老人』 青空文庫
この姿のおかげで老人は空々寂々の境にいつまでもいるわけにゆかなくなった。
— 国木田独歩 『二老人』 青空文庫
見渡すかぎり、両側の森林これを覆ふのみにて、一個の人影すらなく、一縷の軽煙すら起らず、一の人語すら聞えず、寂々寥々として横はつて居る。
— 國木田独歩 『空知川の岸辺』 青空文庫
もちろんそれに不平らしい顔もなく、空々寂々として天命を楽しんでいるかのようにも思われた。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
これがいわゆる「春の声」であったが、十年以来の春の巷は寂々寥々。
— 岡本綺堂 『思い出草』 青空文庫
それこそ空々寂々で、不圖立起ツて、急に何か思出したやうに慌しく書棚を覗きりながら、ポケットから金の時計を出して見て、何か燥々するので、頻にクン/\鼻を鳴らしたり、指頭で髮の毛を掻※したり、または喉に痰でもひツ絡むだやうに妄と低い咳拂をしてゐた。
— 三島霜川 『解剖室』 青空文庫
作例 · 標準
雪がしんしんと降る夜、古い寺は寂々として静まり返っていた。
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祭りが終わり、人々が去った後の広場は、寂々としてもの悲しい雰囲気に包まれた。
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彼女は、愛する人を失った悲しみの中で、寂々と日々を過ごしていた。
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