ところを
ところを異読 とこを
助詞接続詞
標準
although (it is a certain time or something is in a certain condition)
文例 · 用例
割烹着の胃に当る辺りが濡れてゐるところを見ると、今の今まで茶碗でも洗つてゐたという風だ。
— 中原中也 『西部通信』 青空文庫
それなのに何時も私の心にはキチツと決つた風景が浮ぶところをみれば、或ひは潜在記臆とでもいふものがあつて、それが然らしめるのではないかと、埒もないことを思つてみてゐるのである。
— ――世の母びと達に捧ぐ―― 『一つの境涯』 青空文庫
まだ書くことはいくらでもあるのであるが、なにさま記臆のない時のことであるから、あんまり書いて筆力の覚束ないところを出してもなるまい。
— ――世の母びと達に捧ぐ―― 『一つの境涯』 青空文庫
その代りこつちでは、例へば白い西洋皿の上に、鰯の頭が三つ、コロコロと這入るところを、よつくとみて、どうせ対手は嗤つてゐるのだから一寸、ホンの一寸した目礼くらゐで自分の所に帰つてゆけば、却々シツクリした気持だつて味はへるやうなもんぢやないか。
— 中原中也 『私の事』 青空文庫
曰く「われは横綱らしく強いところを見せようとして左の腕を大きくぶるんと振って相手を片手で投げ飛ばそうとしたが、相手は小さすぎて、われの腕はむなしく相手の頭の上を通過し、われはわが力によろめき自ら腰がくだけて敗れたのである。
— 太宰治 『男女川と羽左衛門』 青空文庫
私は、彼の言葉をそのままに聞いているだけで彼の胸のうちをべつだん何も忖度してはいないのだというところをすぐにも見せなければいけないと思ったから、「その小説は面白そうですね。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
そこのところを先生から大隅君に、よく注意してやったほうがいいと思います。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
いずれ、へんな名士の書であろうと思い、私は軽蔑して、ふと署名のところを見ると、双葉山である。
— 太宰治 『横綱』 青空文庫