切り戸
きりど
名詞
標準
low gate
文例 · 用例
謎の矢場主英膳が、あの重籐の弓構えとって、突如矢場の切り戸わきに仁王立ちとなると、天にもひびけとばかり呼ばわりました。
— 仙台に現れた退屈男 『旗本退屈男 第七話』 青空文庫
それから又、私はすこし大きくなりますと、身体の疵を人に見られるのが恥かしくてたまらないようになりましたので、ソッと奥様にお願いしまして、わざと夜中過ぎに、奥のお湯に入れていただいておったので御座いますが、或る冬の夜のこと、切り戸の外で、「見えようが……」「ウン。
— 夢野久作 『押絵の奇蹟』 青空文庫
その横の切り戸を開いて、又、横路地のような処をすこし行くと、長屋式の板壁の途中に小格子がたった一つあった。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
お増の宿は、その番地の差配をしている家の奥の方の離房で、黒板塀の切り戸を押すと、狭い庭からその縁側へ上るようになっている。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
お庄はその切り戸の節穴から、そっと裏を覗いてみると、離房の方の板戸は、ぴったり締っていて、中に人気もしなかった。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
翌朝床を離れて手洗をすますと、お庄は急いで、お増の宿まで行って見たが、切り戸はまだ締っていた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
お庄は夜になると、よく一人で家を脱け出して、お増の部屋の切り戸の外に立ち尽していた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
白樺の粗末な板塀についた切り戸から入るようになっている。
— ――新しい社会の母―― 『モスクワ日記から』 青空文庫