べくもない
べくもない
表現
標準
cannot possibly be
文例 · 用例
さういつたつて、今我々には「集団」の声は余りに耳近く響き、各人各様の閑暇なぞ、却々以てあるべくもない。
— 中原中也 『よもやまの話』 青空文庫
ことしの春遊んだ吉野山中の宿坊に似た庭景色だと思うが、あの色つやのいい青苔と、座敷一杯に舞い込む霧のわびしさは、およぶべくもない。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
それと共に、もし富士山に北米レイニーア火山のような氷河が放射していたならば、今の白石楠花の茂りは押し流されて見るべくもないから、私は現在の万年雪で満足し、花と雪を併せ有することを悦びとしたい。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
それは、後の自然主義運動に於いて作家としての生長を示した徳田秋声の、この時の作品「通訳官」を見ても、また、小栗風葉の「決死兵」、広津柳浪の「天下一品」、泉鏡花の「外国軍事通信員」等を見ても、その水っぽさと、空想でこしらえあげたあとはかくすべくもない。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
護摩壇に向つて、髯髪も蓬に、針の如く逆立ち、あばら骨白く、吐く息も黒煙の中に、夜叉羅刹を呼んで、逆法を修する呪詛の僧の挙動には似べくもない、が、我ながら銀の鍋で、ものを煮る、仙人の徒弟ぐらゐには感ずる。
— 泉鏡太郎 『続銀鼎』 青空文庫
その容貌、その風采、指環は紛うべくもない純金であるのに、銀流しを懸けろと言うから。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
紛ふべくもない後藤宙外さんであつた。
— 泉鏡太郎 『春着』 青空文庫
見紛ふべくもない鼬で。
— 泉鏡太郎 『間引菜』 青空文庫
作例 · 標準
彼があの若さで癌を患っていたなど、当時の私には知るべくもなかった。
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圧倒的な戦力差を前にしては、我が軍が勝利するべくもないことは誰の目にも明らかだった。
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鍵のかかった密室で起きた事件であり、外部から第三者が侵入するべくもない状況だ。
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