滴らす
したたらす
動詞-五段-サ行動詞-他動詞
標準
to dribble
文例 · 用例
それがほんとうの生身であり、生身から滴らす粘液がほんとうの苦しみからにじみ出たものである事は、君の詩が証明してゐる。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
おぬいさんがあのXの全量を誰かに滴らす段になってみろ……。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
水を圧し上げ、水を滴らす仕掛けとしてはこれで充分である。
— 岡本かの子 『噴水物語』 青空文庫
乳の下を裂いたか、とハッと思う、鮮血を滴らすばかり胸に据えたは、宵に着て寝た、緋の長襦袢に、葛木が姉の記念の、あの人形を包んだのである。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
自己の掌より紅血を滴らすか、滑澤柔軟のもののみを握るか、此の二つは、明らかに人力と運命との關係の好否を語る所の目安である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
汝が髪は烏のごとく、汝が唇は木の実の紅に没薬の汁滴らす。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
蒼褪めたともしびがなみだを滴らす。
— 山村暮鳥 『聖三稜玻璃』 青空文庫
そして伝平は、雀が餌を運ぶようにして、三十銭五十銭と持って帰るのであったが、その端金はまるで焼け石へじゅうじゅうと水を滴らすようなものであった。
— 佐左木俊郎 『馬』 青空文庫