白点
しろてん
名詞
標準
文例 · 用例
(明治42・6)(八)木蓼 信濃の奥にふみ迷って、おぼつかなくも山路をたどる夏のゆうぐれに、路ばたの草木の深いあいだに白点々、さながら梅の花の如きを見た。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
バシリスク一名コッカトリセは、蛇また蟾蜍が雄鶏が産んだ卵を伏せ孵して生じ、蛇形で翼と脚あり、鶏冠を戴くとも、八足または十二足を具え、鈎ごとく曲った嘴ありとも、また単に白点を頂にせる蛇王だともいう。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
不善の行為を廃めて善の行為をなすも亦た、心の上にうつりたる一白点に外ならず。
— 北村透谷 『各人心宮内の秘宮』 青空文庫
それは、正確そのもののように――そして、白点が、上下に、左右に、あわただしく閃く、と見る瞬間、黒と白とは一つになって、一直線に落下して、忽ち、見えなくなってしまった。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
だから「危難の海」に現われたこの小さい白点は、月世界の無人境説の上に、一抹の疑念を生んだ。
— 海野十三 『月世界探険記』 青空文庫
「やはり貴女の電子望遠鏡にうつった白点を真先に探険するつもりですよ。
— 海野十三 『月世界探険記』 青空文庫
翼をはなれた爆弾は、見る見る小さい白点となって、碧海湾の奥の入江へ落ちて行った。
— 平田晋策 『昭和遊撃隊』 青空文庫
「あれはなんでしょう」 モコウの指さすほうを望み見ると、水天|髣髴のあいだに一点の小さな白点がある。
— 佐藤紅緑 『少年連盟』 青空文庫