一上一下
いちじょういちげ
名詞動詞-サ変
標準
going up and down
文例 · 用例
かかるほどに車体は一上一下と動揺して、あるいは頓挫し、あるいは傾斜し、ただこれ風の落ち葉を捲き、早瀬の浮き木を弄ぶに異ならず。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
二度目の津軽海峡は、波高く風すさび、白鴎絹を裂くが如く悲鳴して、行きし時には似ぬシケ模様に、船は一上一下さながら白楊の葉の風にひるがへるが如く、船室は忽ちに嘔吐の声|氛々半余歳、塵臭漸やく脱し難からむとするに至つて、乃ち突如として帰去来を賦しぬ。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
が、小兵衛は自分の心が手にとるように師の背中に映っているのだと思うと、自分の心の一上一下の進退が、まるで人の心のように思えて来た。
— 直木三十五 『大衆文芸作法』 青空文庫
船は一上一下、奈落の底にしずむかと思えばまた九天にゆりあげられる、嵐はますますふきつのり、雷鳴すさまじくとどろいていなづまは雲をつんざくごとに毒蛇の舌のごとくひらめく。
— 佐藤紅緑 『少年連盟』 青空文庫
たこは一上一下して、しだいに地上に落ちてゆくように思えた。
— 佐藤紅緑 『少年連盟』 青空文庫
一上一下口角沫を飛ばして大声壮語す。
— 山路愛山 『頼襄を論ず』 青空文庫
革命の曉を告ぐる鷄を先鋒として、入交り立交り、説來り説去るところ、悉く其動物の形態を盡し、其性情を穿ち、直に之を世上の人に移して、愚弄嘲笑の具に供し、一上一下應接に遑なく、其着想の奇と其用語の妙と相俟つて、讀む者をして抱腹絶倒、快哉を叫ばしむるに足るもの再三ならずあつた。
— 狩野亨吉 『安藤昌益』 青空文庫
奇麗に掃いた禾場に一面の穂麦を敷いて、男は男、女は女と相並んでの差向い、片足踏出し、気合を入れて、一上一下とかわる/″\打下ろす。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
作例 · 標準
世の栄枯盛衰は一上一下の常であり、永遠に続く栄華などこの世には存在しない。
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祭壇の前で、神官が玉串を一上一下させて、厳かに地域の安寧を祈願した。
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霧が一上一下して、険しい山肌が隠れたり現れたりする様子は、まるで巨大な生き物の息遣いのようだった。
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激しい全力疾走の直後、彼の肩は一上一下し、喉の奥から絞り出すような荒い吐息が漏れていた。
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