紙墨
しぼく
名詞
標準
文例 · 用例
明窓浄几、筆硯紙墨、皆極精良、とでもいうような感じで、あまりに整頓されすぎていて、かえって小川君がこの部屋では何も勉強していないのではないかと思われたくらいであった。
— 太宰治 『母』 青空文庫
警察署に着くや否や、先ず国事|探偵より種々の質問を受けしが、その口振りによりて昼のほど公園に遊び帰途|勧工場に立ち寄りて筆紙墨を買いたりし事まで既に残りのう探り尽されたるを知り、従ってわれらがなお安全と夢みたりしその前々日より大事は早くも破れ居たりしことを覚りぬ。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
経籍訪古志に「酌源堂亦蔵此本、紙墨頗精」と云つてあるのが即後者で、榛軒の詩中に斥す所である。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
この時両藩の士の中に筆紙墨を用意していたものがある。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
一同筆紙墨の用意して愡掛りだと云た所で茲に一つ困る事には、大切な黒田様の蔵書を毀すことが出来ない。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
それより以下幾百万の貧民は、たとい無月謝にても、あるいはまた学校より少々ずつの筆紙墨など貰うほどのありがたき仕合にても、なおなお子供を手離すべからず。
— 福沢諭吉 『小学教育の事』 青空文庫
千代田城のお書役御書院番部屋に筆紙墨類を入れている、名代の大店だ。
— 新版大岡政談 『魔像』 青空文庫
筆幸は、千代田の御書院番へ筆紙墨の類を入れて来て、山城守とはお近づきに願っている。
— 新版大岡政談 『魔像』 青空文庫