藪の中
やぶのなか
表現名詞
標準
being a mystery (due to conflicting testimony)
文例 · 用例
我れを厭ふ隣家寒夜に鍋を鳴らす葱買ひて枯木の中を帰りけり易水に根深流るる寒さかな古寺やほうろく棄つる藪の中月天心貧しき町を通りけり 此等の俳句に現はれる、抒情味の本質は何だらうか。
— 萩原朔太郎 『冬の情緒』 青空文庫
裏畑の竹藪の中の小径から我家と往来が出来て、垣の向うから熟柿が覗けばこちらから烏瓜が笑う。
— 寺田寅彦 『森の絵』 青空文庫
藪の中に一本大きな赤椿があって、鵯の渡る頃は、落ち散る花を笹の枝に貫いて戦遊びの陣屋を飾った。
— 寺田寅彦 『森の絵』 青空文庫
ここは東北の仙臺郊外、愛宕山の麓、廣瀬川の急流に臨んだ大竹藪の中である。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
それでもお爺さんは何かに憑かれたみたいに、深い大竹藪の中を搜しまはる。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
藪の中には、雀は千も萬もゐる。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
こごえて死にさうになるまで、竹藪の中を搜し歩いていらして、やつとけふ逢へたくせに、優しいお見舞ひの言葉一つかけるではなし、――」「優しい言葉だけは、ごめんだ。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
このごろ毎日、竹藪の中をうろついて、ぼんやり歸つて來て、けふはまた何だか、いやに嬉しさうな顏をしてそんなものを持ち歸り、もつたい振つて筆立に※したりなんかして、あなたは、何か私に隱してゐますね。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
作例 · 標準
事件の真相は藪の中であり、関係者の証言が食い違っているため、解決には至っていない。
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彼の失踪理由は藪の中だが、最近になって奇妙な噂が流れ始めた。
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あの話の真偽は藪の中だが、聞くだけで興味深い。
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ウィキペディア
「藪の中」(やぶのなか)は、芥川龍之介の短編小説。初出は「新潮」1月号(1922年)、初刊は「将軍」(1922年)。今昔物語集「巻29第23話 具妻行丹波国男於大江山被縛語 第廿三」を下敷きにしたいわゆる「王朝物」の一編であり、芥川の作品中でも特に多くの論文が書かれている。
出典: 藪の中 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0