兎の毛
うのけ
表現名詞
標準
slight amount
文例 · 用例
銘仙の袷に金紗の羽織を着、兎の毛で縁をとつたオールドローズの繻子の肩掛に寒々とくるまり、海老茶の袴を胸高く穿いてゐる。
— 中原中也 『三等車の中(スケッチ)』 青空文庫
前刻見た兎の毛の雲じゃ、一雨来ようと思うた癖に、こりゃ心ない、荷が濡れよう、と爺どのは駆けて戻って、がッたり車を曳出しながら、村はずれの小店からまず声をかけて、嘉吉めを見せにやります。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
再び自分の中の人間が目を覺ました時、自分の口は兎の血に塗れ、あたりには兎の毛が散らばつてゐた。
— 中島敦 『山月記』 青空文庫
再び自分の中の人間が目を覚ました時、自分の口は兎の血に塗れ、あたりには兎の毛が散らばっていた。
— 中島敦 『山月記』 青空文庫
それで手古奈に對する仕向けとて兎の毛の先ほども厭らしい風はない。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
若殿の眞情を思へば兎の毛の先の塵ほども包むべきにあらねばとて、妻をして、小室手古奈の關係を詳かに語らせた。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
猟人「たしかこの辺へ逃込んだがなあ」(独語をしながら四辺を見廻す)少年(猟人の注意を自分の方へ向けるようにあせりながら)「おじさん兎の毛は白いんでしょう」猟人「ああ、その白兎、白兎」少年「耳が長いでしょう、おじさん」猟人「そうそう耳が長いね」猟人、銃を杖にして話し出す。
— 竹久夢二 『春』 青空文庫
しかし、紺屋の婆様の鑑定によると、ラッコとは真っ赤な嘘で、兎の毛をうまく染めたものだという。
— 矢田津世子 『鴻ノ巣女房』 青空文庫
作例 · 標準
例句