柵外
さくがい
名詞
標準
文例 · 用例
柵内柵外の木々の紅葉は大分散り果てたが、それでもまだ名残の色を留めて居て美しい。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
」と、かう心に叫んで、手に持つ手拭ひで顏の汗を拭きながら、博物館の樹木に蔭つた柵外を南の方へ歩んで行く。
— 放浪 『泡鳴五部作』 青空文庫
汚いとあっては、武士の不面目とばかり、滝川一益、羽柴秀吉、柵外に出たのはよかったが、苦もなく打破られて仕舞った。
— 菊池寛 『長篠合戦』 青空文庫
敵浮足立ったりと見ると、織田徳川の両軍は柵外に出でて追撃戦に移った。
— 菊池寛 『長篠合戦』 青空文庫
何坪何合のうちで自由を擅にしたものが、この鉄柵外にも自由を擅にしたくなるのは自然の勢である。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
柵外がことごとく狼の世界である事を知らない、憐なる羊の群である。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
切符を驛夫に渡して直ちに柵外に出づ。
— 大町桂月 『越ヶ谷の半日』 青空文庫
柵外の道路を隔てた小川の縁の、竹藪にかこまれた藁屋根では間断なく水車が廻り、鋼鉄の機械鋸が長い材木を切り裂く、ぎーん、ぎん/\、しゆツ/\、といふ恐ろしい、ひどく単調な音に、そしてそれに校庭の土手に一列に並んでゐる松の唸り声が応じ、騒がしい濤声のやうに耳の底に絡んだ。
— 嘉村礒多 『途上』 青空文庫