野槌
のづち
名詞
標準
文例 · 用例
あの、円肌で、いびつづくった、尾も頭も短う太い、むくりむくり、ぶくぶくと横にのたくりまして、毒気は人を殺すと申す、可恐く、気味の悪い、野槌という蛇そのままの形に見えました。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
神職 野槌か、ああ、聞いても忌わしい。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
吉原に火災があると、貞固は妓楼佐野槌へ、百両に熨斗を附けて持たせて遣らなくてはならなかった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
今も和泉、大和、熊野に野槌と呼ぶのは、尾なく太短い蛇だ(『東京人類学会雑誌』二九一号の拙文を見よ)。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
異様なる蛇ども 前項にいった、わが邦中国のトウビョウ蛇神が、体短く中太いというについて、必ず聯想さるるは、野槌という蛇である。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
『沙石集』に叡山の二僧相約して、先立ちて死んだ方が後れた者にきっと転生り、所を告ぐべしといった後、まず死んだ僧が残った僧の夢に見えて、我は野槌に生まれたといった。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
予が聞き及ぶところ、野槌の大きさ形状等確説なく、あるいは※鼠様の小獣で悪臭ありというが、『沙石集』の説に近い。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
野槌は最初神の名で、諾冉二尊が日神より前に生むところ、『古事記』に、野神名|鹿屋野比売、またの名|野椎の神という。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫