賑わしい
にぎわしい
形容詞
標準
文例 · 用例
路地うちに、子供たちの太鼓の音が賑わしい。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
しかしここの年のはじめは何の晴れがましいこともなく、また族の女子たちは奥深く住んでいて、出入りすることがまれなので、賑わしいこともない。
— 森鴎外 『山椒大夫』 青空文庫
あの賑わしい方へ……」 手を取らぬばかりに引き立てられて、玉藻は泣き顔をおさえながら立ち上がった。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
拙者などは陰気なせいか、賑わしい座の酒はうもうない。
— 三上於兎吉 『艶容万年若衆』 青空文庫
女の笑い声、賑わしい。
— 国枝史郎 『剣侠受難』 青空文庫
昼間は殆ど狂気じみているほど、騒がしい賑わしいこの一画も、夜はひっそりと静まり返えり、人影など滅多に見ることが出来ず、見えれば夫れは九分九厘まで、悪漢でなければならないのです。
— 国枝史郎 『さまよう町のさまよう家のさまよう人々』 青空文庫
× あの華やかにも賑わしい「海岸開き」の最中に、突然浜で起った奇怪極まる殺人事件は、その被害者がきわだった美少女であった、ということ以外に、その殺人方法が、また極めて不思議なものであった――ということで、すっかり鷺太郎の心を捕えてしまったのだ。
— 蘭郁二郎 『鱗粉』 青空文庫
小豆粒ほどの影は、次第に大豆ほどとなり、やがては小人の船ほどの大きさになって、耳を澄ますと、微風につれて賑わしい船歌さえ聞えて来る。
— 宮本百合子 『津軽の虫の巣』 青空文庫