褌担ぎ
ふんどしかつぎ
名詞
標準
文例 · 用例
鷲掴みにしたのに何の不思議があらう、勝負附の星は一度取逃がしても、また取返す時機があるが、褌担ぎの身には三十円は一度取落したが最期、二度とめぐり会ふ折があらうとも思はれなかつた。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
それと同時に草川巡査にとっては、想像も及ばない探査の困難な殺人事件……村民全部が嫌疑者……といったような極度の神秘的な深みを持った迷宮事件を押付けられたようなもので、ちょうど横綱と顔を合わせた褌担ぎみたような自分の力の微弱さを、今更のように思い知らずにはいられないのであった。
— 夢野久作 『巡査辞職』 青空文庫
当時私の感じでは今仮りにこれを相撲に喩うればそれは丁度大関と褌担ぎの様なもの、すなわち矢田部は大関、私は褌担ぎでその取組みは甚だ面白く真に対抗し甲斐があるので大いにヤルべしという事になり、そこは私は土佐の生れ丈けあって、その鼻息がすこぶる荒らかった。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
しかし、考えてみると、大学の矢田部教授と対抗して、大いに踏ん張って行くということは、いわば横綱と褌担ぎとの取組みたようなもので、私にとっては名誉といわねばならぬ。
— 第一部 牧野富太郎自叙伝 『牧野富太郎自叙伝』 青空文庫
当時私の感じでは今仮りにこれを相撲に喩うればそれは丁度大関と褌担ぎのようなもの、すなわち矢田部は、大関、私は褌担ぎでその取組みは甚だ面白く真に対抗し甲斐があるので大いにヤルべしという事になり、そこは私は土佐の生まれだけあって、その鼻息が頗る荒らかった。
— 第一部 牧野富太郎自叙伝 『牧野富太郎自叙伝』 青空文庫