硼酸
ほうさん
名詞
標準
文例 · 用例
それでも、やはり夕方になると、この子の眼がふさがってしまって、そうして朝になっても眼がひらかず、私は医者からもらって来た硼酸水でその眼を洗ってやって、それから眼薬をさして、それからしばらく経たなければ眼があかないという有様でした。
— 太宰治 『たずねびと』 青空文庫
」「硼酸があつたわね。
— 徳田秋聲 『浪の音』 青空文庫
お葉は女中部屋へ入つて、襖を締切つて、鏡台の前に坐つて連りに硼酸で顔を冷してゐた。
— 徳田秋聲 『浪の音』 青空文庫
それは硼酸軟膏と万創膏と脱脂綿だ。
— 夢野久作 『超人鬚野博士』 青空文庫
客のない酒場の主婦は豆ランプの傍で、硼酸に浸したガーゼで眼を洗いながら雨の音を聞いていた。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
お房の眼の上には、眸が疲れると言って、硼酸に浸した白い布が覆せてあった。
— 島崎藤村 『芽生』 青空文庫
トラさんのことね、硼酸をうすくといたもので洗えるといいそうですが。
— 一九四一年(昭和十六年) 『獄中への手紙』 青空文庫
硼酸のうすいのはなかなかいいらしいのですけれどもね、薬と併用してゆくと。
— 一九四一年(昭和十六年) 『獄中への手紙』 青空文庫