運筆
うんぴつ
名詞
標準
brush strokes
文例 · 用例
輪廓といひ、陰影と云ひ、運筆といひ、自分は確にこれまで自分の書いたものは勿論、志村が書いたものゝ中でこれに比ぶべき出來はないと自信して、これならば必ず志村に勝つ、いかに不公平な教員や生徒でも、今度こそ自分の實力に壓倒さるゝだらうと、大勝利を豫期して出品した。
— 国木田独歩 『畫の悲み』 青空文庫
輪廓といい、陰影といい、運筆といい、自分は確にこれまで自分の書いたものは勿論、志村が書いたものの中でこれに比ぶべき出来はないと自信して、これならば必ず志村に勝つ、いかに不公平な教員や生徒でも、今度こそ自分の実力に圧倒さるるだろうと、大勝利を予期して出品した。
— 国木田独歩 『画の悲み』 青空文庫
仕事が、――純粋に運筆することの、その苦しさよりも、いや、運筆はかへつて私の楽しみでさへあるのだが、そのことではなく、私の世界観、芸術といふもの、あすの文学といふもの、謂はば、新しさといふもの、私はそれらに就いて、未だ愚図愚図、思ひ悩み、誇張ではなしに、身悶えしてゐた。
— 太宰治 『富嶽百景』 青空文庫
才気煥発、運筆自在、縦横馳駆の川端龍子氏の画の過程は、そのフワンたるものの心を躍らすに足る充分なものがある。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
▼(同人)野村石太郎君 さて同人の作になるがこの人の作品をみて感ずるのはかうあつさり片づけられゝば芸術なんて言ふものはなか/\楽しみな道楽だと思ふ『君は何を求めてゐるか』遊戯に始まつて遊戯に終つてゐる『君は何に感激してゐるか』運筆の滑らかさに泥酔してゐる許りだ。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
運筆の途上、一字一句にテーマの全体は何らかの形で現れ、またそれを意識しなければ、仕事の進行という発展は不可能であるが、この発展の過程に於ては、作家の頭の中では見て来た世界の記憶が、見て来たままには出ず、記憶の背景となって歴史を潜ませて現れる。
— 横光利一 『スフィンクス(覚書)』 青空文庫
唐紙にお手本を写し描き、運筆の練習をいたしました。
— ――皇太后陛下御下命画に二十一年間の精進をこめて上納―― 『画筆に生きる五十年』 青空文庫
ダニーロは坐つたまま、左の眼で運筆を見ながら、右の眼では窓の外に注意を払つてゐた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
作例 · 標準
例句