何とはなしに
なんとはなしに
副詞
標準
for no particular reason
文例 · 用例
何とはなしに陸さんの門前の方へ廻り何とか云う人の門につきあたり左の方を注視したけれども先生の庭の方へ出でる道はない 仕方はないから又もとへ戻って先生の前へ来た。
— 伊藤左千夫 『根岸庵訪問の記』 青空文庫
それでも僕は十六日の午後になって、何とはなしに以下のような事を巻紙へ書いて、日暮に一寸来た民子に僕が居なくなってから見てくれと云って渡した。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
大路ゆく辻占うりのこゑ、汽車の笛の遠くひゞきたるも、何とはなしに魂あくがるゝ心地す。
— 樋口一葉 『月の夜』 青空文庫
更けゆくまゝに燈火のかげなどうら淋しく、寝られぬ夜なれば臥床に入らんも詮なしとて、小切れ入れたる畳紙とり出だし、何とはなしに針をも取られぬ。
— 樋口一葉 『あきあはせ』 青空文庫
この青年は、なぜかそのころ学校を休んで、何とはなしに日を送っていましたが、私には別に不思議にも見えませんでした。
— 国木田独歩 『あの時分』 青空文庫
自分もこの老いさらぼえた山人に何とはなしに畏怖の念をいだいていたが、しかしその「山オコゼ」というのがどんなものだか知りたいという強い好奇心を長い間もちつづけていた。
— 寺田寅彦 『物売りの声』 青空文庫
下駄をひいてからしばらくして自分は何とはなしにその小僧さんが自分を見ているなと思った。
— 梶井基次郎 『泥濘』 青空文庫
そして泣いた、ただ何とはなしにうれしく悲しくって。
— 国木田独歩 『河霧』 青空文庫
作例 · 標準
放課後の教室で、何とはなしに窓の外を飛ぶ鳥を眺めていた。
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本屋で何とはなしに並んでいる本を眺めていたら、ふと懐かしいタイトルが目に入った。
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夜道を歩いていると、何とはなしに後ろを振り返りたくなるような不安に襲われた。
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