這奴
這奴
名詞
標準
文例 · 用例
吃驚して、這奴等、田舎ものの風をする掏賊か、ポン引か、と思った。
— 泉鏡花 『妖術』 青空文庫
どの玩弄物欲しい、と私が問うたでの、前へ悦喜の雀躍じゃ、……這奴等、騒ぐまい、まだ早い。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
――塩で釣出せぬ馬蛤のかわりに、太い洋杖でかッぽじった、杖は夏帽の奴の持ものでしゅが、下手人は旅籠屋の番頭め、這奴、女ばらへ、お歯向きに、金歯を見せて不埒を働く。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
這奴四足めに瀬踏をさせて、可いとなって、その後で取蒐ろう。
— 泉鏡花 『紅玉』 青空文庫
で、密と離れた処から突ッ込んで、横寄せに、そろりと寄せて、這奴が夢中で泳ぐ処を、すいと掻きあげると、つるりと懸かった。
— 泉鏡花 『海の使者』 青空文庫
這奴等が群り居た、土間の雨に、引※られた衣の綾を、驚破や、蹂躙られた美しい女かと見ると、帯ばかり、扱帯ばかり、花片ばかり、葉ばかりぞ乱れたる。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
三 這奴、窓硝子の小春日の日向にしろじろと、光沢を漾わして、怪しく光って、ト構えた体が、何事をか企謀んでいそうで、その企謀の整うと同時に、驚破事を、仕出来しそうでならなかったのである。
— 泉鏡花 『革鞄の怪』 青空文庫
」 と一ツ叱って、客が這奴言おうで擡げた頭を、しゃくった頤で、無言で圧着けて、「お勝どん、」と空を呼ぶ。
— 泉鏡花 『菎蒻本』 青空文庫