突き付ける
つきつける
動詞
標準
文例 · 用例
わたくしはその苦しく衝上げた金属製の皮膚下の板を、やおら引き下げるために、わざとにっこり笑った顔を突き付けるように池上の方へ向けて、「あら、あの若いおきみさんと二人並べて見較べられちゃ、あたしとても敵わないわ」 と言いました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
確かにあるのだが、アシストが先頭に立って押し出してきた低価格ソフトは、高値のソフトに値段相応の価値があるのかをつねに突き付ける。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
となればやはりいかざあなるまいと駆け付けてみると、なんと師匠、いきなり今度は社内のスタッフにレッド・ペーパーを突き付けるではないか。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
(と思っていたら海の向こうのアメリカでは、墓場からよみがえったDRIがMS―DOS互換のDR DOSで、マイクロソフトの首筋に匕首を突き付けるからこの世界は面白い)業界標準の基礎構造は、今、音を立てて揺れている。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
京都の襟新と云ふ家の出店の前で、窓硝子へ帽子の鍔を突き付ける樣に近く寄せて、精巧に刺繍をした女の半襟を、いつ迄も眺めてゐた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
) (太吉も今は引込んでもいられず、恐る恐る這い出して来て、父のうしろに寄添うと、重兵衛は鮓の折を把って、その眼さきに突き付ける。
— 岡本綺堂 『影』 青空文庫
何者かと松明を突き付ける間もなく、彼は蝗の如くに飛んで来て、七兵衛の持ったる松明を叩き落した。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
奥さんは枕元に坐って、大方風邪を引いたのだろうから身体を暖ためるがいいといって、湯呑を顔の傍へ突き付けるのです。
— 夏目漱石 『こころ』 青空文庫