分外
ぶんがい
形容動詞名詞
標準
not within proper limits
文例 · 用例
悟るということは、生命の遍満性、流通性を体証したことで、一|匹の鯉魚にも天地の全理が含まれるのを知ると同時に、恋愛のみが全人生でなく、そういう一部に分外に滞るべきでないとも知ることです。
— 岡本かの子 『鯉魚』 青空文庫
東洋語としての日本語の統体が欧米語によって煩わされること今日のごとく甚しい場合に、我々の日用語が大部分外来語だといって無関心をきめ込むのは識見においていささか欠けるところがありはしないだろうか。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
先生の中二階からはその屋根が少しばかりしか見えないが音はよく聞こえる水車、そこに幸ちゃんという息子がある、これも先生の厄介になッた一人で、卒業してから先生の宅へ夜分外史を習いに来たが今はよして水車の方を働いている、もっとも水車といっても都の近在だけに山国の小さな小屋とは一つにならない。
— 国木田独歩 『郊外』 青空文庫
壁の隙間や床下から寒い夜風が吹きこむので二人は手足も縮められるだけ縮めているが、それでも磯の背部は半分外に露出ていた。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
誰にも省みられないけれども、春が来るごとに黙って葉を連ねているあの楡の大樹、あの老木が一度でも分外な涙を流したか。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
)―― 分外なお金子に添えて、立派な名刺を――これは極秘に、と云ってお出しなすったそうですが、すぐに式台へ出なさいますから、(ちょっとどうぞ、旦那。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
当分外へは出てはなりません、と外出|禁制。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
若し夫れ皮肉なるドガアの畫題を搜し出すと云ふ事は既に予の領分外である。
— 木下杢太郎 『京阪聞見録』 青空文庫
作例 · 標準
部下に対して、休日返上での私的な手伝いなどという分外な要求を突きつけるのは、上司として失格である。
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彼は自分の分をわきまえず、常に分外な野心を抱いては無理な投資を繰り返し、ついに全財産を失ってしまった。
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質素な暮らしを尊ぶ彼女にとって、高級ブランド品を買い漁ることは分外な贅沢であり、自分には不相応だと感じている。
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