空堀
からぼり
名詞
標準
dry moat
文例 · 用例
上手には新らしく掘られた空堀、築きがけの土塀、それを越して檜皮葺きの御影堂の棟が見える。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
そして更に窪地を進んで崖の近くに達すると、そのあたりは「空堀」と称ぶ小範囲の湿気地だつた。
— 牧野信一 『籔のほとり』 青空文庫
空堀の汀に立つて見あげると、熊笹に覆はれ槙や椿の老木を天蓋にした崖が眼上まで迫つてゐた。
— 牧野信一 『籔のほとり』 青空文庫
窪地の裾で、一間先きからは葦になり空堀に続き越えて黒い崖を控えた一隅が程好い陽溜りになつてゐた。
— 牧野信一 『籔のほとり』 青空文庫
或る日彼がいつものやうにブランコに腰かけて緩やかな振子になつてゐると、ふつと眼の先の空堀の向ひ側に可愛らしい西洋娘が立つてゐるのに気づいた。
— 牧野信一 『籔のほとり』 青空文庫
彼は或日いつものやうに空堀の傍らのブランコに乗つて水底の想ひに耽りながら、ふとそゝりたつ前の崖を見あげた時、「さうだ、これを通路に選んだなら滝の家までは五|分で達せられるだらう!
— 牧野信一 『籔のほとり』 青空文庫
いまでは両岸の二本の青竹は左右からハネ釣籠のやうに空堀の上に弧をなして、飛手の現れるのを常に待ち構えてゐた。
— 牧野信一 『籔のほとり』 青空文庫
学校は、桃園尋常小学校と云って、内安堂寺町の高地と、空堀筋の高地との間に挟まれている窪地にあったが、この辺一帯を「のばく」と称して、貧民窟であった。
— 直木三十五 『死までを語る』 青空文庫
作例 · 標準
古い城跡を訪れると、かつての防御線であった空堀が残っていた。
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敵が攻めてこないように、城の周りには深い空堀が掘られていた。
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「ほら、あそこに見えるのが、昔の空堀だよ。今は草が生い茂っているけど。」
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