耗
耗
名詞
標準
文例 · 用例
一方の種屬の者は、いつもムダな死金を使ひ、時間を空費し、無益に精力を消耗して、人生を虚妄の悔恨に終つてしまふ。
— 萩原朔太郎 『所得人 室生犀星』 青空文庫
おまけに、Aは今後益々その志望に於て衰耗してゆくであらうし、Bは尠くも、文学の点でだけは発展してゆくであらう。
— 中原中也 『心理的と個性的』 青空文庫
だから、工場法にだって、生命を失った場合に、その生命に対する支払い額のミニマムが決めてあるじゃないか、それが、労働力、いいかえれば、人間の生命力の搾取に、その基礎を置いてなっているものであるならば、それが、どんな形において生命が消耗されようと、ブルジョアジーにとって、驚くべき理由がないだろう。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
それに戦争は、体力と精神力とを急行列車のように消耗させる。
— 黒島伝治 『橇』 青空文庫
その顏は、自然に使ひ耗らされ、汚れ、皺だらけになり、旅行中嵌めきつてゐた手袋のやうに、伸び切つてしまつてゐる。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から』 青空文庫
最も平靜な日々ですら、彼の使ひ耗らすことの出來なかつた誇りとか、意志とか、權力などの過剩のすべてが、その死の中にはひり込んだのだつた。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から』 青空文庫
上下の唇は此運動に磨り耗らされて薄くなつてゐるかと思はれる。
— GREISE 『老人』 青空文庫
あいつらは朝から晩まで、俺らの耳のそば迄来て、世界の平和の為に、お前らの傲慢を削るとかなんとか云ひながら、毎日こそこそ、俺らを擦って耗して行くが、まるっきりうそさ。
— 宮沢賢治 『楢ノ木大学士の野宿』 青空文庫