疥
はたけ
名詞
標準
文例 · 用例
けれども、蚤か、しらみ、或いは疥癬の虫など、竹筒に一ぱい持って来て、さあこれを、お前の背中にぶち撒けてやるぞ、と言われたら、私は身の毛もよだつ思いで、わなわなふるえ、申し上げます、お助け下さい、と烈女も台無し、両手合せて哀願するつもりでございます。
— 太宰治 『皮膚と心』 青空文庫
彼は絶えず誰かに嘲笑されるだろうという恐怖を疥癬のように皮膚に繁殖させていた。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
先生の言によると、それはタムシ草と云って、その葉や茎から出る汁を塗れば疥癬の虫さえ死んでしまうという毒草だそうで、食べるどころのものでは無い危いものだということであって、自分も全く驚いてしまった。
— 幸田露伴 『野道』 青空文庫
少い時|疥癬のために衰弱したのを、父が温泉に連れて往って治したことが、文集に見えている。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
後に一頭の疥のある狐を捕えて、例のごとく五、六頭の犬を放したが、犬はあえて追い迫らない。
— 酉陽雑爼(唐) 『中国怪奇小説集』 青空文庫
紛う方なく、疥癬である。
— 菊池寛 『船医の立場』 青空文庫
彼は、下田から一里ばかりの蓮台寺村にある湯が、瘡毒や疥癬にいいということをきいたので、すぐその日、蓮台寺村に移って入湯した。
— 菊池寛 『船医の立場』 青空文庫
その間も、寅二郎の疥癬は、少しも癒えないばかりでなく、どれもこれも、無気味に白く膿んでしまった。
— 菊池寛 『船医の立場』 青空文庫